Kaigi on Rails2025への参加と感想
Others久々の記事投稿になります。2025.09.26と2025.09.27に行なわれたKaigi on Rails2025に参加してきました。 Kaigi on RailsはRuby on Railsを中心としたカンファレンスです。 前々からこういった技術イベントに参加してみたいなと思っておりましたが、なかなか職場でイベントに行きたい人が居らず、一人だと不安だな...という感じで今まで参加したことがありませんでした。 現在の勤め先（以降は「弊社」と言うこととします）では、バックエンドの開発をRuby on Railsを用いて開発しています。 そして今回、弊社から3名のエンジニアが登壇することとなり、応援も兼ねて会社のロゴ入りTシャツを着て参加してきました。 2日間に渡り開催された当イベントですが、1日目は業務の都合上参加できず、2日目のみの参加になります。 同時刻で2つのホールで発表されているため、一方のみ参加になります。 また全ての時刻のセッションに参加している訳ではなく、参加していない時刻もありますことご承知おきください。
参加セッション
2重リクエスト完全攻略HANDBOOK
2重リクエストに関するセッションでしたが、2重リクエストの防御策がこんなにもあるとは...知りませんでした。 自分が携わっているプロダクトでは、仮に2重リクエストが発生しても致命的な問題になるケースは少なく、これまで深く意識してきませんでした。 しかし、決済機能や予約システムのように、わずかな二重処理が大きな障害やユーザー不信につながる領域では、この知識は有用だなと感じました。
小規模から中規模開発へ、構造化ログからはじめる信頼性の担保
小規模から中規模の構造化ロギングについてのセッションでしたが、まさに自分たちのチームにとってタイムリーな内容でした。 最近、チームメイトがログ収集や出力まわりを調整していたこともあり、発表内容と現場の課題が重なって共感しました。 特にログをただ出力するのではなく、データ解析やモニタリングツールで活用できる形に整えることの重要性が丁寧に整理されていました。 また、Rails8.1から構造化ロギングが標準サポートされるとのことなので、今後はGemを使うのか、標準機能に寄せるのかといった選択も必要になりそうです。
階層構造を表現するデータ構造とリファクタリング 〜1年で10倍成長したプロダクトの変化と課題〜
階層構造をどう表現するか、というテーマのセッションでした。自分の携わってきたプロダクトには階層構造を持つものがなく、参加前はなかなかイメージが湧きませんでした。 規模が小さいうちは問題が顕在化しにくいですが、発表で紹介されていたプロダクトのように、1年でユーザー数やデータ量が10倍にも成長するようなケースでは、どの手法を選び、どのように拡張性を担保するかが極めて重要になると感じました。 また、登壇者の方が24卒という若さでこうした成長フェーズの課題を解決しているのも非常に刺激的でした。
非同期処理実行基盤、Delayed脱出〜SolidQueue完全移行への旅路。
私は今の会社で初めてRailsを触ったため、恥ずかしながらSolidQueueを実は知りませんでした。 携わっているプロダクトでもDelayedJobを使用して実装しました。 セッションでは、DelayedJobやSidekiqといった既存の選択肢と比べての特徴や、SolidQueueが持つシンプルさの利点が整理されており理解しやすかったです。 一方で、SolidQueue自体には監視機能が備わっていないため、その部分は自前で補う必要があるそうです。
非同期jobをtransaction内で呼ぶなよ！絶対に呼ぶなよ！
非同期ジョブとトランザクション内の呼び出しに関するセッションでした。 自分たちのプロダクトでは幸いこれまで発生していない（と思われる）事象でしたが、発表を聞くと確かに条件次第では起こりうると感じました。 トランザクションが完了する前に非同期ジョブが動いてしまうと、想定外の不整合や失敗につながるのは、普段あまり意識できていなかったポイントでした。 運用環境によっては再現性が低く気づきにくいからこそ、事前に考慮しておく必要がありそうです。 実際に不具合を経験する前に、こういう落とし穴があると認識できたことは大きな収穫でした
ドメイン指定Cookieとサービス間共有Redisで作る認証基盤サービス
自身で認証回りをあまり実装したことがなかったのでセッションを聞けて良かったなと思います。 弊社の各プロダクトは全くの別物のため、複数システム間で認証情報を共有することはないのですが、聞いていて面白かったです。
複数システム間での認証・認可をどう扱うかに関するセッションでした。 自分自身はこれまで認証まわりを実装する機会がほとんどなかったので、仕組みや設計の工夫を知る良い機会になりました。 自分の所属する会社では、各プロダクトが完全に独立しているため認証情報を共有するケースはありませんが、知識として触れることができました。
「技術負債にならない・間違えない」権限管理の設計と実装
権限管理に関するセッションでした。どの権限が何をできるのかが段々と分からなくなってしまう状況を想像でき、特に判定処理があちこちに散らばると全体像を把握するのが難しくなりそうです。 セッションで紹介されていた対象・操作・役割・条件に整理して切り分ける設計は、とても見通しが良くなるアプローチだと感じました。 権限の複雑さを減らしつつ、将来的な拡張やレビューのしやすさにもつながりそうで、実務でも取り入れやすい考え方だと思います。 今後実装するときの参考になる良いセッションだったと感じました。
スポンサーブースなど
各スポンサーのブースがあり、いくつか回りました。 時間がなく全てのブースを回ることができませんでした。 2日間とも参加していたら回れたんだろうなあ...。 ブースはCloud Flareさん、Withさん、Hubbleさん、アンドパッドさん、Leanerさん、ギフティーさんのブースを回ることができ、各社からノベルティをいただきました。 またKaigi on Railsのステッカーやキーホルダー、Tシャツもいただきました。
接写しすぎてTシャツかどうかわからなくなっていますが...登壇者は水色っぽいカラーで参加者は茶色でした。 さっそく家で着ています。
はじめての技術イベントですがとても楽しめました。 弊社エンジニアのセッションもすごくよかったです。 また来年も行きたいし、他にも興味のある分野のイベントがあれば行ってみたいです。